正論・異論
20年以上前に辞めた会社だが、そこでの後輩が60歳になり会社を辞めた。
詳しくは知らないが再雇用の条件が厳しかったと思う。
と云うのも10年程前この会社を久しぶりに訪問した時、エレベータ前で郵便物を入れた手押しかごを押す生気の無い先輩を見たからだ。
その先輩は防衛機器関連の営業部長、総務部長を務めた。総務部長であっても役員に成らなければ、定年後与えられるポジションは無い、「総務で出来る仕事を自分探してください」という、この会社のメッセージを受けた結果だったと思う。
さて、最近辞めた後輩も営業部長まで上りつめたが、役職定年で専門職になった時や再雇用後に提示された仕事はなんだったろう。
彼の同期で親の介護で長い休暇をとった後輩も、介護後、戻る仕事は用意されなかったそうだ。
2年前、後輩二人のまた後輩が既に役員になっており、二人とも役員になる目はなかったし、煙たい存在だったかもしれない。
この会社の役員構成はオーナー一族から1名、オーナー家に縁のあるものから1名、CFOは社内叩き上げの経理マンではなくオーナー一族が選別した外部から、残る席は1つか2つだが、監査役は代々メイン銀行からの転籍、自分より若い後輩が一人でも役員になればつけばもう目はない。
新たに役員になった下で組織の体制は大きく変わり、まるで官僚組織のような世代交代システムをとっている。
誰でも55歳、60歳、65歳の節目は必ず来て、その都度選別されます。
貴方でなければ出来ないこと、貴方を必要とされることを磨く、皮肉なことですが貴方に今の会社を辞めても通用する能力・スキルがあれば会社に残れるでしょう。
経験を要する何かのスキル、ある業界での深い人脈、経理、総務人事、上場、倒産など様々な経験を整理して、自分のスキル・能力の棚卸をしておきましょう。もちろん、会社の肩書無しでも出来ることですが、、、
スキルを磨き上げ続けることが必要です。
厚い信任を頂いている上司が社長、会長まで行けば上に行けるかもしれません。
誰に乗るか、一生懸命調べて、必死に取り付いても知りすぎていると飛ばされるかも知れません。
上目遣いヨイショでしのいで来た貴方も、つまらん芸を覚える為に、会社の金を幾ら使ったんだと睨まれるのが関の山。
75歳まで収入を得るにはと考えると窮屈ですが、20年続けても苦にならなそうな何かを50代で見つけて続けることでしょう。
2018年4月26日